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プチナース国試部

国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.49>第104回午後問題66
Aさん(38歳、女性、パート勤務)は、腹痛のため、姉に付き添われて救急外来を受診した。診察時、身体には殴られてできたとみられる複数の打撲痕が確認された。腹痛の原因は夫から蹴られたことであった。Aさんは「家に帰るのが怖い。姉には夫の暴力について話したくない」と泣いている。
外来での看護師の対応で適切なのはどれか。
  1. 打撲痕を姉に見てもらう。
  2. 配偶者暴力相談支援センターに通報する。
  3. 暴力を受けたときの状況を具体的に話すことを求める。
  4. Aさんが日頃から夫を怒らせるようなことがなかったか聞く。

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解答2 配偶者暴力相談支援センターに通報する。

1.× 「打撲痕を姉に見てもらう」ことは、Aさんが夫の暴力を姉には知られたくないと言っていることと、姉に見てもらうことが診察や治療に関係があるとは考えにくく、適切とは言えません。
2.○ 正しい対応です。
3.× 「暴力を受けたときの状況を具体的に話すことを求める」については腹部をどのような形で受傷したのかを聞くことは必要ですが、痛みがあり、泣いている状況で具体的に状 況を聞くのは適切とはいえません
4.× 「Aさんが日頃から夫を怒らせるようなことがなかったか聞く」という行為は医療者がすべきことではありません。怒らせたからといって暴力をふるっていいということではありませんし、治療と関係がありません。

配偶者暴力相談支援センターとは1
都道府県が設置する婦人相談所など適切な施設が配偶者暴力相談支援センターの機能を果たしている。市町村が設置する適切な施設においても、配偶者暴力相談支援センターの機能を果たすよう努めることになっている。配偶者暴力相談支援センターでは、配偶者からの暴力の防止および被害者の保護を図るために、次のような業務を行う。
●相談や相談機関の紹介
●カウンセリング
●被害者および同伴者の緊急時における安全の確保および一時保護
●自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
●被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
●保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助


正答につながるポイント!

 状況設定問題の要素のある一般問題です。おそらく、2と3で迷うのではないかと思います。
 2の「配偶者暴力相談支援センターに通報する」については表1をみてください。「努める」という表現ではありますが、被害者本人の意思を尊重することが求められているので、本人の意思を確認して通報するのがベストです。この点が気になって2を選ぶことができなかった受験生もいるかもしれませんが、複数の打撲痕があって腹痛が起きている状況であれば生命の危険もあると考え、すぐに通報したほうがよいでしょう。これが答えです。


表1 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉

第6条
①配偶者からの暴力(配偶者または配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するよう努めなければならない。
②医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷しまたは疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報することができる。この場合において、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。
③刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。
④医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷しまたは疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければならない。

国試対策のポイント!

 DV被害者に医療者として接するときは道徳的な対応よりも、安全の確保とすみやかな医療を行うことを優先します。そのうえで、配偶者暴力相談支援センター等の利用に関する情報を提供する、被害者の同意を尊重するよう努めながら配偶者暴力相談支援センターまたは警察官に通報するなどの対応をとります。

〈引用文献〉
1.内閣府 男女共同参画局:配偶者からの暴力被害者支援情報.
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html(2022.1.21アクセス)

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)

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