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プチナース国試部

国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.32>第106回午後問題50
学童期の肥満について正しいのはどれか。
  1. 肥満傾向児は肥満度30%以上と定義される。
  2. 肥満傾向児は高学年より低学年が多い。
  3. 肥満傾向児は男子より女子が多い。
  4. 成人期の肥満に移行しやすい。

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解答4 成人期の肥満に移行しやすい。

1.肥満傾向児は肥満度30%以上と定義される。
→× 日本小児内分泌学会のウェブサイトによると、「肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満」とするとあります1。血圧値の分類でも「正常高値血圧、I度高血圧、II度高血圧、III度高血圧」という表現をしますが、I度高血圧からは高血圧です。同様に“軽度”肥満も肥満に分類されます。なお、肥満度を求める式はのとおりです。
2.肥満傾向児は高学年より低学年が多い。
3.肥満傾向児は男子より女子が多い。
→× を見てください。令和元年度の調査結果ですが、小学校のデータを見ると学年が上がるほど肥満の割合は増え、男子と女子では男子のほうが多いことがわかります。
4.成人期の肥満に移行しやすい。
→◯ 「幼児期肥満の25%、学童前期肥満の40%、思春期肥満の70~80%が、成人肥満に移行するといわれている1ことから「成人期の肥満に移行しやすい」は正しく、これが答えです。


正答につながるポイント!

 小児期の肥満に関する知識と統計の両方の知識が必要です。第96回には肥満度を求める計算問題が出題されています。2020年は感染症の流行によって「コロナ太り」という言葉があったように年齢を問わず活動量が減少したので、肥満に関する知識は要チェックだと考えます。

国試対策のポイント!

 この問題は、確実な知識がないと解けない内容の代表格です。

〈参考文献〉
1.一般社団法人 日本小児内分泌学会:病気の解説・肥満.https://jspe.umin.jp/public/himan.html(2020.9.10アクセス)


図 肥満度の計算式

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表 肥満傾向児の出現率

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文部科学省 総合教育政策局調査企画課:令和元年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について.2020:6.より一部引用
https://www.mext.go.jp/content/20200325-mxt_chousa01-20200325104819_1-1-1.pdf(2020.9.10アクセス)


執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)

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