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プチナース国試部

国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.29>予想問題
植え込み型除細動器を植え込む手術を受ける予定の患者に指導することがらで正しいのはどれか。なお、この患者はこれまでにペースメーカー植え込み術を受けたことはない。
  1. 「日常生活で火気を避ける必要があります」
  2. 「除細動治療が必要でない状況でも誤って作動することがあります」
  3. 「植え込み型除細動器本体の寿命は1年です」
  4. 「植え込み型除細動器の作動の点検は手術で取り出して行います」

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解答2 「除細動治療が必要でない状況でも誤って作動することがあります」

1.「日常生活で火気を避ける必要があります」
→× 植え込み型除細動器(ICD:implantable cardioverter defibrillators)を使用する患者さんの生活上の注意点は、ペースメーカーと同様で、強い電磁気を避ける機器のチェックや交換が必要であることなどです。火気を避ける必要はありません。
2.「除細動治療が必要でない状況でも誤って作動することがあります」
→〇 治療が必要でない状況でもICDが作動してしまうことはゼロではありません。異常が起こっていないのに除細動が誤作動すると、胸に痛みを感じる衝撃が加わります。
3.「植え込み型除細動器本体の寿命は1年です」
→× 交換時期については、個人差はありますが4~6年はもつとされており、1年で交換は短すぎます。リード(体内に通すコードのこと)は機器よりも長い寿命があるとされ、機器交換の際に継続して使用することもあります。
4.「植え込み型除細動器の作動の点検は手術で取り出して行います」
→× 多くのICDは、異常な脈拍を記録する機能も持っているので、病院に来て記録を取り出して確認すれば、異常が起こったときの状況を患者さんから聞き取ることも可能です。プログラミングヘッドという通信部分をICD本体の上に載せることで、高周波信号を用いた通信によって、治療方法の変更、電池の残量、電極の状態、機器の寿命、作動状況などの記録を取り出すことができます。


正答につながるポイント!

  心室頻拍心室細動といった致死性心室性頻拍症の既往のある患者さん、あるいはそれらが起こる可能性のある患者さんに体内から電気ショックを与えることができるのが植え込み型除細動器(ICD)です。 ICDはプログラミングすることによってペースメーカーのはたらきも持たせることができ、機器が判断して、ペースメーカー機能による徐脈治療抗頻拍ペーシング治療カルディオバージョン(比較的低エネルギーな電気ショックを心室に合わせて安全なタイミングで出力し、効果がなければ出力が上げられていく)、除細動など、段階的に治療が行われます。

国試対策のポイント!

  植え込み型除細動器にくわしくないからと感覚で解答せず、自分なりに考えて解くようにします。ペースメーカーとICDは共通するところが多いので、比較しつつ学習するようにします。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)

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