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プチナース国試部

国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.22>第106回午前問題65
訪問看護の利用者に関する訪問看護と病院の外来看護の連携で適切なのはどれか。
  1. 訪問看護報告書は外来看護師に提出する。
  2. 利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。
  3. 利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。
  4. 訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。

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解答3 利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。

1.訪問看護報告書は外来看護師に提出する。
→× 訪問看護計画書および訪問看護報告書については、のように定められています。よって、1の「訪問看護報告書は外来看護師に提出する」は誤りで、主治医に提出します。
2.利用者の個人情報の相互共有に利用者の承諾書は不要である。
→× 個人情報を保護する観点から利用者の個人情報の相互共有をする際には、利用者の承諾書が必要です。これは訪問看護に限らず、施設入所中などでも同様であることから、ケアカンファレンスなどで個人情報を扱う際にも承諾が必要なので理解しておいてください。
3.利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する。
→◯ 「どのような形で」「どこまで情報を共有するのか」が明らかになっていませんが、「利用者が使用している医療材料の情報を外来看護師と共有する」ことは可能だと思います。“医療材料の情報”というのが、たとえば「利用者本人と家族が使いやすいという理由で処置のときには○○という製品を使っているのでその製品のサイズや製造会社名を伝える」といったレベルであれば、個人情報とまでは言えないので可能と考えます。
4.訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する。
→× 「訪問看護師から外来看護師に利用者の外来診察の予約を依頼する」のは訪問看護師の業務ではなく、利用者かその家族がすることです。


正答につながるポイント!

 外来と訪問看護の連携の全体像を知る機会が少ないことから、受験生にとってはおそらく解きにくい問題なのではないかと思います。「どうしてそう判断したのか」を考えながら、素直に解くのがコツです。

国試対策のポイント!

訪問看護指示書、訪問看護計画書、訪問看護報告書の違いなどは盲点になりやすいところです。インターネットなどを利用して所定の様式がどのようなものであるかを見ておく、実習などで機会があれば実物を見ておくと記憶に残りやすいと思います


表 訪問看護計画書および訪問看護報告書の定義

❶訪問看護計画書は、主治の医師の指示・利用者の希望や心身の状況等を踏まえ、療養上の目標・当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載して作成すること。なお、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って作成するものである。訪問看護計画書には、看護・リハビリテーションの目標、訪問計画及び看護内容を記載すること。備考欄には、特別な管理を要する内容等を記載する。どちらも規定の様式に沿って作成する必要がある。
❷主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を主治医に提出しなければならない

平成12年3月3日 老企第55号 厚生省老人保健福祉局企画課長通知:訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて.より一部引用(強調は編集部による)

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)

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