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プチナース国試部

おもしろ過去問

真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!

今月のツッコミ!

“反省”以上に重要なのは“再発防止”

<no.14>第106回午後問題114
Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。

Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。
再発防止策で適切なのはどれか。
  1. 薬剤に関する研修会を企画する。
  2. 医療機器の操作方法を再教育する。
  3. インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
  4. 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

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解答4 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

 臨床を経験したことのある人間にとっては、「ヒエッ」と思う身を切られるような内容であり、真正面からインシデントを取り上げたという点で斬新な状況設定です。
 この問題のおもしろポイントは、3の「インシデントを起こした看護師は反省文を書く」ですね。毎年予想問題をつくっていますが、選択肢として「反省文を書く」は考えつかないと思うので脱帽です。
 中高生が職員室で先生に叱責されて書く反省文のようなイメージ……。「このようなことは二度と起こさないようにしっかりとやっていきたいと思います」……うんうん、そうだよね…、って違います!
 再発を防止するためには受けた指示を実行し忘れるというヒューマンエラーをどのようになくすかを考えなくてはなりませんので、4が答えです。


国試教室画像

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono

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国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.14>第100回午前問題31
糖尿病性神経障害で正しいのはどれか。
  1. 四肢の近位から遠位へと感覚障害が進行する。
  2. 感覚神経よりも運動神経が障害されやすい。
  3. 自律神経の障害を伴う。
  4. 痛覚は障害されない。

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解答3 自律神経の障害を伴う。

1.四肢の近位から遠位へと感覚障害が進行する。
→× 四肢の遠位から感覚障害が進行するので誤りです。
2.感覚神経よりも運動神経が障害されやすい。
3.自律神経の障害を伴う。
→2.×/3. ◯ 糖尿病の進行によって感覚神経→自律神経→運動神経の順に障害が起こります。よって「感覚神経よりも運動神経が障害されやすい」は誤りで、「自律神経の障害を伴う」のは正しいことになります。
4.痛覚は障害されない。
→× 感覚神経が障害されるため痛覚も障害されます


正答につながるポイント!

 末梢の神経組織はインスリンの作用を必要とせずグルコースを取り込むため、高血糖の状態が続くとソルビトールの蓄積など代謝が乱れ、神経伝達物質の低下や、神経に関係する血管の傷害による血流障害が起こります。これが糖尿病(性)神経障害のメカニズムです。

国試対策のポイント!

糖尿病神経障害はよく出題されるので、過去問のすべての選択肢を研究しよう


おもな糖尿病神経障害(多発神経障害)

国試教室画像

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Keiko Katsuyama

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