プチナース国試部
過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!
- <no.12>第107回午後問題68
- 紙カルテと比較したときの電子カルテの特徴として正しいのはどれか。
- データ集計が困難である。
- 診療録の保存期間が短い。
- 多職種間の情報共有が容易になる。
- 個人情報漏えいの危険性がなくなる。
解答3 多職種間の情報共有が容易になる。
1.データ集計が困難である。
→× 情報の格納と処理の利便性の向上により困難ではありません。
2.診療録の保存期間が短い。
→× 紙のように劣化することは少なく、バックアップも容易であるため保存期間は長くなります。ただし機器のメンテナンスは必要ですし、電力が必要であるという点には注意します。
3.多職種間の情報共有が容易になる。
→◯ 表1に挙げた通りで、これが答えです。
4.個人情報漏えいの危険性がなくなる。
→× 紙媒体でも漏えいのリスクはありますが、情報が簡単に持ち運べたり高速で共有できたりするということは、すなわち簡単にたくさんの情報が漏れてしまうという側面があります。漏えいの危険性はなくなりません。
正答につながるポイント!
この問題について考えるにあたりおさえておきたい知識として、表1の電子カルテのメリットとデメリットと、表2の平成11年4月に出された厚生労働省による「診療録等の電子媒体による保存について」という通知があります。以上を踏まえて問題を検討してみましょう。
国試対策のポイント!
解説本文中では触れませんでしたが、診療報酬(レセプト)との連動も電子カルテの特徴です。
表1 電子カルテのメリットとデメリット

表2 厚生労働省による電子媒体での保存に関する規定
厚生省健康政策局長,医薬安全局長,保険局長:健政発第517号,医薬発第587号,保発第82号 診療録等の電子媒体による保存について.1999.より引用(語句の強調は著者による)
