必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.31>有病率・罹患率、生活習慣病
- 平成28年の国民健康・栄養調査で「糖尿病の可能性を否定できない者」「糖尿病が強く疑われる者」の推計人数の組合せはどれか。
「糖尿病の可能性を否定できない者」─「糖尿病が強く疑われる者」
- 1,320万人 ── 890万人
- 1,200万人 ── 900万人
- 1,000万人 ── 1,000万人
- 800万人 ── 1,100万人
解答3 1,000万人 ─ 1,000万人
「糖尿病の可能性を否定できない者」はHbA1c*(NGSP*)の値が6%以上6.5%未満で糖尿病が強く疑われる者以外の者、「糖尿病が強く疑われる者」はHbA1c(NGSP)の値が6.5%以上、または糖尿病治療の有無に有と回答した者をさす。近年は「糖尿病の可能性を否定できない者」>「糖尿病が強く疑われる者」でほとんど推移していたが(平成24年で1,110万人>950万人)、平成28(2016)年の国民健康・栄養調査で両者が1,000万人で同数となった。よって、1、2、4は誤り、3が正しい。医療機関を受診している患者の数については「ここもおさえよう」を参照すること。
*【HbA1c】hemoglobin A1c:ヘモグロビンエーワンシー
*【NGSP】National Glycohemoglobin Standardization Program
①生活習慣病の現状を知ろう
表1 令和2(2020)年の患者調査1
医療機関を受診している総患者数 | |
高血圧性疾患 | 1511.1万人 |
糖尿病 | 579.1万人 |
悪性新生物〈腫瘍〉 | 365.6万人 |
心疾患(高血圧性を除く) | 305.5万人 |
脳血管疾患 | 174.2万人 |
②必修問題での糖尿病の出題状況をおさえよう
●必修問題対策としては検査項目、合併症、食事療法を重点的に学習しましょう(表1)。
●糖尿病の検査項目:血糖値、HbA1c(グリコヘモグロビン)
●糖尿病の3大合併症:①糖尿病腎症、②糖尿病網膜症、③糖尿病神経障害
▶急性合併症は糖尿病ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖状態、低血糖など
●糖尿病の食事療法
▶エネルギー摂取量(標準体重から求める)と3大栄養素のバランスを考慮する
表2 必修問題での糖尿病の出題状況
問題番号 | 問題 | 正答 |
第112回午前14 | 糖尿病の急性合併症はどれか。 | ケトアシドーシス昏睡 |
第109回午後14 | 尿ケトン体が陽性になる疾患はどれか。 | 糖尿病 |
第105回午前15 | 糖尿病の血糖コントロールの指標となる検査値はどれか。 | グリコヘモグロビン |
第103回午前14 | 2型糖尿病の食事療法における1日のエネルギー摂取量の算出に必要なのはどれか。 | 標準体重 |
第101回午後14 | 糖尿病の診断指標となるのはどれか。 | HbA1c |
〈引用・参考文献〉
1.厚生労働省:令和2年(2020)患者調査の概況.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/index.html(2024.10.17アクセス)
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
