必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.30>呼吸器系
- 単層扁平上皮はどれか。
- 気 管
- 肺 胞
- 膀胱壁
- 胃粘膜
解答2 肺胞
第106回では「単層円柱上皮はどれか」(解答は胃)という問題が出された。呼吸器、消化器、泌尿器の上皮組織という視点で学習しておく必要がある。
1.× 気管は多列円柱上皮である。
2.〇 単層扁平上皮は肺胞のほか、腹膜などを構成する。
3.× 膀胱壁は移行上皮である。
4.× 胃粘膜は単層円柱上皮である。
①器官をつくる組織は上皮組織、結合組織、筋組織、神経組織の4つに分類される。
種類 | 特徴 |
上皮組織 | 身体表面、体内の腔所の内面を覆う組織 |
結合組織 | 線維状のタンパク質に富んだ身体の支持組織 |
筋組織 | 筋線維からなる組織 |
神経組織 | 中枢神経と末梢神経からなる組織 |
②腺上皮は血液中から材料を得て体表・腔所に液を分泌する組織(外分泌腺)である。広義では上皮組織に含まれる。
③上皮組織の分類
●細胞の配列
▶1層の細胞層:単層上皮。物質を通しやすいことから吸収や分泌に適している。
▶2層以上の細胞層:重層上皮。丈夫であるため保護に適している。
●細胞の形状
▶平べったい形のもの:扁平上皮細胞
▶サイコロのような形のもの:立方上皮細胞
▶縦長の形のもの:円柱上皮細胞
これらの特徴を組み合わせた上皮組織もある(単層円柱上皮など)(表1)。
表1 細胞の配列と形状を組み合わせた上皮組織の種類
種類 | 代表的な部位 |
単層扁平上皮 | ●肺胞 ●血管 |
重層扁平上皮 | ●皮膚 ●口~食道の粘膜 ●膣の粘膜 |
移行上皮 | ●膀胱 ●尿管 |
単層円柱上皮 | ●胃や腸の粘膜 |
多列線毛上皮 | ●気管 ●精管 |
④がんの組織型と関連する。
肺がん | ①腺がん、②扁平上皮がん、③小細胞がん、④大細胞がんの順番に多い |
食道がん | 扁平上皮がんが多い |
胃がん | 腺がんが多い |
大腸がん | 腺がんが多い |
乳がん | 腺がんが多い |
子宮頸がん | 扁平上皮がんが多い |
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
〈引用・参考文献〉
1.坂井建雄 著者代表:系統看護学講座 専門基礎分野 人体の構造と機能[1] 解剖生理学 第11版.医学書院,東京,2022.
2.看護師国家試験対策プロジェクト 編:看護師国試2025 ここだけ覚える!.照林社,東京,2024.
