必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.29>スパイログラム
- スパイログラムで肺活量を表すのは図のどれか。

- A
- B
- C
- D
解答2 B
A~Dは肺気量分画をあらわす。[予備吸気量(IRV*)、1回換気量(TV*)、予備呼気量(ERV*)、残気量(RV*)の4つ=1次分画と、全肺気量(TLC*)、肺活量(VC*)、最大吸気量(IC*)、機能的残気量(FRC*)の4つ=2次分画]
X軸(横軸)に時間、Y軸(縦軸)に肺気量の変化を記録したものをスパイログラムという。肺活量(グラフ中B、2.○)は全肺気量(グラフ中A)から残気量(グラフ中D)を引いたものである。グラフ中Cは1回換気量である(図1)。
*【IRV】inspiratory reserve volume
*【tv】tidal volume
*【ERV】expiratory reserve volume
*【RV】residual volume
*【TLC】total lung capacity
*【VC】vital capacity
*【IC】inspiratory capacity
*【FRC】functional residual capacity
図1 スパイログラム
呼吸機能検査のうち、換気機能検査に関する用語を知っておきましょう。
①スパイロメータ(スパイログラフ)
測定装置のこと。機能的残気量と残気量は測定できないため(したがって残気量+肺活量である全肺気量も測定できない)、別の特殊な方法で測定する。
②スパイログラム
スパイロメータで測定された記録のこと。
③肺気量分画(Slow Vital Capacity、SVCあるいはVCと呼ぶこともある)
緩徐(=ゆっくりとした)な呼吸で測定する。図1のようなスパイログラムが得られる。
④努力性肺活量測定(Forced Vital Capacity、FVC、努力呼気曲線)
図2のようなスパイログラムが得られる。努力性、つまり一気に勢いよく息を呼出させて測定する。縦軸は容量、横軸は時間である。
図2 努力性肺活量測定で得られるスパイログラム
⑤1秒量(FEV1*)、1秒率(FEV1.0%*)、%1秒量
一気に勢いよく息を呼出してもらい、最初の1秒間に吐き出すことができた空気の量を1秒量という。息を吐くときの気流制限が反映されるが、肺活量が少ないと気流制限がなくても1秒量が減少するので、1秒量を肺活量で割った1秒率も活用される。また、年齢・性別・身長から算出された健常者の予測1秒量(FEV1予測値)に対する患者の1秒量(FEV1実測値)の比率を%1秒量(%FEV1)という。
*【FEV1】forced expiratory volume in one second:1秒量
*【FEV1.0%】percentage of forced expiratory volume in one second:1秒率
⑥フローボリューム曲線
努力呼気曲線をもとに、横軸を気量(ボリューム)、縦軸を気速(フロー)としてみる。障害された部位、病態などにより特徴的な曲線となる。図3は第104回午前49で出題された慢性閉塞性肺疾患(COPD*)のフローボリューム曲線である。
*【COPD】chronic obstructive pulmonary disease
図3 慢性閉塞性肺疾患のフローボリューム曲線
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
