プチナース国試部
真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
“易しい”というよりも“優しい”問題もあります!
- <no.19>第100回午前問題63
- Aさん(94歳、男性)は、脳卒中の再発作後、肺炎を発症した。Aさんの家族への説明のうち、エイジズム〈高齢者差別〉にあたるのはどれか。
- 「年齢から判断すると、体力が落ちていると思います」
- 「年齢から判断すると、治療への反応は遅いかもしれません」
- 「年齢から判断すると、肺活量が落ちている可能性があります」
- 「年齢から判断すると、何もせず経過をみるのがいいでしょう」
解答4 「年齢から判断すると、何もせず経過をみるのがいいでしょう」
「“易しい”というよりも“優しい”問題」と銘打ちましたが、エイジズムが何なのか知らなくてもやさしく〈高齢者差別〉と説明してくれています。
「年齢から判断すると」に続き、1~3に医学的な誤りはなく、4だけが仲間はずれ的な内容で、「歳だから何もしなくてよい」という差別的な助言が行われています。「こういう問題がたくさん出題されるといいな」と思うかもしれませんが、まあ珍しいです。
なお、医療者側からでなく、家族から本人の意思を尊重せずに「歳を考えると、もう治療をしなくていいです」と言うのもエイジズムです。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono
