プチナース国試部
真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
危険、そして“その後”が気になる問題
- <no.17>第106回午前問題119
- Aさん(89 歳、女性)は、認知症と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクIIbである。定年退職後の長男(66 歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。
ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。
長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。
- 筋力低下の有無
- 感染徴候の有無
- 認知機能のレベル
- 全身の皮膚の状態
解答4 全身の皮膚の状態
わが家にある電気こたつは10段階の温度調節がありますが、真冬でも一番低いレベルから2段階くらいまでしか温度を上げたことがありません(これから“夏本番!”という時期に、季節感がなくてすみません)。
これは節約家なのではなくて、下から2段階目で十分に「熱い」からです。「電気こたつの温度を最高にして肩までもぐり込む?! 朝まで?! よくご無事でしたね!」と大声が出そうです。火傷や脱水も怖いですが、火事の恐れもあります。まず火傷をしていないか4の全身の皮膚の状態を確認したいところです。
2017年に行われた第106回の国家試験から状況設定問題に新しい形式ができて、1状況設定に3つの設問の形式のほかに、1状況設定に2つあるいは1つの設問のセットができました。今回紹介した問題は新しい1状況設定に2つの設問のセットなのでこの危険な香りのする問題の続きはないのです……。3設問形式に慣れているので「この後はどうなったの?」という思いを止められません。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono
