プチナース国試部
よく読むと「あれれ?」な過去問に、おもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
老年看護学の問題……のはずだけど?
- <no.02>第104回午後問題59
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Aさん(70歳、女性)は、夫のBさんと死別し、軽費老人ホームに入居している。Aさんは「今、再婚をしたいと思う好きな人ができたのに、70歳で再婚なんて恥ずかしいよと息子に叱られました。とても悲しいです」と話した。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 「息子さんの気持ちは理解できます」
- 「他の職員の考えを聞いてみましょう」
- 「好きな人ができることは素敵なことですね」
- 「亡くなったBさんのことは忘れてしまったのですか」
解答3 「好きな人ができることは素敵なことですね」
国家試験には出題基準があり、すべての問題には該当する項目があることになっています。Aさんの年齢から考えると老年看護学の知識を求める問題に違いありません。しかし、その先は何を求めているのか、ギモンに感じる問題です。選択肢をみていきましょう。
1➡息子さんの反応は一般的で、よくある意見です。しかし、続けてフォローせず言いっぱなしはいけません。
2➡華麗にパスしましたね。「前の人と同じ意見です」とカンファレンスで言いそうな人です。
3➡キラキラした瞳で声に出して読みたいセリフ。本心から言えたらこれが理想的です(正答です)。結婚自体には触れておらずギリギリセーフ。家族からしたら「結婚?!オフクロは財産のこととかどう考えてんだよっ」ってなっちゃいますよね。肯定しちゃって無責任かもしれません(心の声)。
4➡亡くなったBさんの関係者であるかのように責めていて、なぜかかなり感情的です。
最後に現実的なアドバイスをしますと、何気なく言った本音は患者さんの心に響きます。気をつけましょう。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono
