必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.26>喫煙
- 喫煙が身体に与える影響で正しいのはどれか。
- うつ病を予防する。
- 肥満との強い関連がある。
- 消化器がんのリスクが増大する。
- 妊婦の喫煙により巨大児となりやすい。
解答3 消化器がんのリスクが増大する。
1.× うつ病を予防するという効果はない。
2.× 肥満との強い関連はない。
3.〇 各種のがんのリスクの増大がよく知られている。肺がん以外にも食道、胃など消化器がんのリスクも増大する。
4.× 妊婦の喫煙によってリスクが高まるのは巨大児ではなく、低出生体重児や早産である。
その他には脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD*)などと関連がある。
*【COPD】chronic obstructive pulmonary disease
①タバコの影響
タバコの煙には60種類以上の発がん・発がん促進物質が含まれるとされています。とくに代表的なのはニコチン、タール、一酸化炭素です。能動喫煙だけでなく、受動喫煙の害もあります。
厚生労働省は、喫煙と疾患などとの因果関係を次の4段階で判定しています。
●レベル1:因果関係を推定する証拠が十分(確実)
●レベル2:証拠は因果関係を示唆(可能性あり)
●レベル3:因果関係の有無を推定するのに不十分
●レベル4:因果関係がないことを示唆
表1はレベル1に該当する疾患や症状の一部です。がんをはじめとする多くの疾患が含まれます。その他、レベル2にもさまざまな疾患や症状が挙げられているため、併せて確認しておきましょう。
表1 成人の喫煙と疾患などとの因果関係のうち、レベル1(因果関係を推定する証拠が十分)に該当するもの1
▶肺 ▶口腔・咽頭 ▶喉頭 ▶鼻腔・副鼻腔 ▶食道 ▶胃 ▶肝 ▶膵臓 ▶膀胱
▶子宮頸部
●循環器の病気
▶虚血性心疾患 ▶脳卒中 ▶腹部大動脈瘤 ▶末梢動脈硬化症
▶慢性閉塞性肺疾患(COPD) ▶呼吸機能低下 ▶結核による死亡
▶2型糖尿病の発症
▶歯周病 ▶ニコチン依存症 ▶妊婦の喫煙による乳幼児突然死症候群(SIDS*)
▶早産 ▶低出生体重・胎児発育遅延
②ブリンクマン指数(喫煙指数)
ブリンクマン指数は、喫煙年数×1日の喫煙本数で求めます。400以上で肺がん危険群、600以上で肺がん高度危険群とされます。
③スマート・ライフ・プロジェクト
スマート・ライフ・プロジェクトは、厚生労働省が行っている国民の健康づくりをサポートするプロジェクトです。食事、運動、禁煙、健診を柱としています。現行の健康日本21(第三次)にも、喫煙について、個人の行動と健康状態の改善に関するものとして、次の3つの目標が設定されています。
●喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)
●20歳未満の者の喫煙をなくす
●妊娠中の喫煙をなくす
〈引用・参考文献〉
1.厚生労働省:e-ヘルスネット 喫煙者本人の健康影響.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-02-002.html(2024.5.15アクセス)
2.池西靜江,石束佳子,阿形奈津子 編:看護学生スタディガイド2025.照林社,東京,2025:542.
3.厚生労働省:健康日本21(第三次)推進のための説明資料.
https://www.mhlw.go.jp/content/001234702.pdf(2024.5.15アクセス)
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
