プチナース国試部
真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
『防衛機制』、必ずしも悪くはないけれど…
- <no.16>第98回午後問題35
- 食事制限を守れない患者が「食べ過ぎたのは友人が夕食に誘ったからだ」と考える防衛機制はどれか。
- 反動形成
- 置き換え
- 合理化
- 退 行
解答3 合理化
なんとも耳の痛い問題です。誰でも、大なり小なり自分の心を守るためにこういう考えをすることはあると思います。でも本当は「友人が夕食に誘ったから」でもなく、「その夕食がとてもおいしかったから」でもなく、自分の意志が弱かったからに過ぎません。その事実を認めたくないから防衛機制が現れるわけです。
この患者は一見理論的にあるかのように見えて、じつは不都合な現実を歪めたり、都合のよい理由を取り上げて自分の欲求や感情を正当化しようとしたりしています。これを合理化といい、答えは3となります。……ということで合理化がよくわかったので、「あ、今私は合理化をしている。これはプチナースWebで合理化の記事を読んだからだわ!」と思うようにしましょう(笑)。
なお、反動形成は本心と逆の言動をすること、置き換えは本来の相手でない相手に感情を向けること、退行は前の発達段階に戻ることです。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono
