プチナース国試部
真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
勇気を出して伝えてほしい!
- <no.13>第105回午前問題107
- Aさん(20 歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21 歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症〈STD〉を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8 °C、脈拍62/分であった。
Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症〈STD〉のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。
Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
- パートナーには話さなくてもよいと伝える。
- パートナーに来院を促す電話をすると伝える。
- Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。
- 性感染症〈STD〉に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。
解答4 性感染症〈STD〉に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。
“妊娠をテーマとせず、大学生の性に関する問題が出題される時代になったか”としみじみしてしまう問題です。医療知識のある私たちは「ダメ、彼氏に黙っていたらダメよ!」と思いますが、Aさんのような「パートナーに知られたくない」という考えを持っている人にどのように対応するかが問われます。
1のようにパートナーに話さないでAさんだけが治療をしていても治療効果はありません。2のように「パートナーに電話をする」というのは、どのようにするのでしょうか? 電話番号はどうするのでしょう? 3にいたっては大学の保健センターの看護師に相談する必要性がわかりませんね。相談しても「彼氏に伝えなさい」「2人で受診するように」と言われるでしょう。
Aさんが勇気を出して彼に伝える4が最も適切です。……というか、問題の設定上しかたない部分もあるのですが、なぜ診察に来て看護師に相談? 話しにくいのかもしれませんが、きちんと医師に話してほしいですね。
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
