プチナース国試部
真剣に解いていたはずの過去問、よく読むと「あれれ?」。過去問におもしろく、まじめにツッコミを入れます!
今月のツッコミ!
仲間はずれの選択肢がわかりやすすぎる!
- <no.07>第94回午後問題86・状況設定問題抜粋
- 19歳の女性。境界性パーソナリティ障害のため通院していたが、不眠の増悪、家族に対する暴言と暴力および家具などの衝撃的な破壊行為の激化によって、本人と家族の希望で入院した。
入院4日、患者は個人用のドライヤーを部屋に持ち込み、部屋で保管したいと希望した。病棟では、個人用のドライヤーをナースステーションで保管し貸出している。看護師がそのように説明すると、患者は「師長さんはいいって言いました。どうしてあなたはいけないと言うんですか」と攻撃的に質問した。看護師長はこの日は出張で留守であった。
対応で適切なのはどれか。
- 「看護師長に明日確認します。それまでこちらで預かりますね」
- 「それは病棟の規則ですから、看護師長が間違っていますね」
- 「看護師長がそう言うはずがありません。嘘をついていますね」
- 「看護師長ではなく、私の指示に従ってください」
解答1 「看護師長に明日確認します。それまでこちらで預かりますね」
当事者の内心は「今日に限ってなぜ師長さんがいないの~」ですが、選択肢1以外はどんな言いかたをしても感情的で、患者さんの攻撃性に乗っかってしまっています。選択肢1は結論を出していないように感じるかもしれませんが、選択肢2~4は否定が含まれ、患者さんの攻撃性をより強くしてしまう可能性があります。
私としてはこの問題のツボは、否定が含まれる選択肢2~4に対して、否定が含まれない選択肢1の「仲間はずれ」がわかりやすすぎる、という点です。でも問題をつくるのも大変なんですよ~。

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono
