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プチナース国試部

おもしろ過去問

よく読むと「あれれ?」な過去問に、おもしろく、まじめにツッコミを入れます!

今月のツッコミ!

別の意味でも受験生を動揺させる問題

<no.05>第93回午前問題140
就職2年の看護師。表情が乏しく、仲間が冗談を言っても笑うことはなく「ばかばかしい」と怒り出すこともある。食欲の低下と不眠を訴える。
この状態はどれか。
  1. 幻覚妄想状態
  2. 緘黙状態
  3. うつ状態
  4. 引きこもり状態

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解答3 うつ状態

 試験中にせつなくなる余裕はないかもしれませんが、看護師になるドリームをカムトゥルーするために一生懸命問題を解いている受験生にはあまりに酷な問題です。「え、2年目でもう“うつ状態”になっちゃうの?」と手が止まるかもしれません(答えは3)。もう少し設定を何とかできなかったのでしょうか。私は2年目よりも1年目がつらかったですが、それだと受験生にはより近い未来であり、もっとシビアな設定になってしまいますね。
 「緘黙(かんもく)」が見慣れない言葉かもしれませんが、明瞭な言語を返すことができない状態のことで、精神科看護では場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)で使われることが多いです。場面緘黙症とは言語能力に問題はありませんが、ある集団のなかや特定の環境などで話せなくなる状態のことをいいます。
 最後にアメリカ精神医学会のDSM-5(*1)のうつ病(DSM-5)/大うつ病性障害の診断基準と設問の情報を照らし合わせてみます。表情が乏しいのは「すべての活動への興味、喜びの著しい減退」、ばかばかしいと怒ることもあるのは「毎日の抑うつ気分、小児や青年ではいらだたしい気分もありうる」、食欲の減退(※)と不眠も該当しそうです。

*1【DSM-5】Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition:精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版
※食欲の増加も問題となります。

別の意味でも受験生を動揺させる問題

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono

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国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.05> 第105回午後問題51
Aさん(75歳、女性)は、終末期のがんの夫を自宅で介護している。Aさんと夫は自宅での看取りを希望している。
Aさんへのケアで最も適切なのはどれか。
  1. 臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。
  2. 自宅で看取る意思が揺らぐことがないように支援する。
  3. 配偶者を亡くした家族の会への参加を生前から勧める。
  4. 夫が元気だったころの思い出を話題にしないように勧める。

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解答1 臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。

1.臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。
→◯ 「臨死期に起こる身体徴候について説明しておく」ことは、Aさんにとって必要な情報(表1)で、それによってどのように対応すればよいかを判断できるようになります。“死が近づいたときの変化”もおさえておきましょう(表2)

2.自宅で看取る意思が揺らぐことがないように支援する。
→× 支援の目的に、「看取る人が揺らぐことがないように」というのは含まれません。不安や困ったことが表出できて、情報を得たうえで自宅での看取りを続けるのかを本人と家族が決断できるように支援します。

3.配偶者を亡くした家族の会への参加を生前から勧める。
→× 亡くなる前から勧めるというのは倫理的に問題がありますし、支援として適切とは言いがたいと考えます。

4.夫が元気だったころの思い出を話題にしないように勧める。
→× ややわかりにくい文章なので読み間違いのないように注意します。思い出を語ることを禁止しているので、これは誤りです。夫本人がいやでなければ、元気だったころの思い出を語り合うのは夫婦にとって人生の統合という要素を含みます


正答につながるポイント!

 このような問題は、教科書や参考書のあるページに正解への手がかりが載っているような問題ではありません。しいていうなら、過去問によく似た選択肢がいくつかある程度です。看取られる人、看取る人の心情やQOLについて考えることができれば難しい問題ではありません。

国試対策のポイント!

 終末期に関しては、「リビングウィル」「アドバンスディレクティブ」「グリーフケア」「エンドオブライフケア」などの用語の意味と関係する援助方法についてもまとめておきましょう。

表1 臨終前の変化(臨終1、2か月~数週間前)

国試教室画像


表2 臨終前にみられる身体的変化

国試教室画像

池西静江,石束佳子 編:看護学生スタディガイド2019.照林社,東京,2018:296.をもとに作成


【家族を看取る人のケアの例】

国試教室画像

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Keiko Katsuyama

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