プチナース国試部
過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!
- <no.02> 第104回午後問題56
- Aさん(59歳、男性)は、経尿道的前立腺切除術後1日で、強い尿意を訴えているが腹部超音波検査で膀胱に尿は貯留していない。Aさんは、体温36.9℃、脈拍88/分、血圧128/86mmHgであった。尿は淡血性で混濁はなく蓄尿バッグ内に3時間で350mL貯留している。
この状態で考えられるのはどれか。
- 尿道狭窄
- 尿路感染症(urinary tract infection)
- 膀胱刺激症状
- 膀胱タンポナーデ
解答3 膀胱刺激症状
1.尿道狭窄
→× 問題文に「尿意はあるが膀胱に尿は貯留していない」とあることから否定できる。
2.尿路感染症
→× 問題文に「体温36.9℃、脈拍88/分で尿に混濁がない」とあることから感染が起こっていることも判断できない。
3.膀胱刺激症状
→○ Aさんは、3時間で350mLの尿があり、膀胱内に尿は溜まっていないことから膀胱刺激症状による強い尿意だと判断する。
4.膀胱タンポナーデ →× 問題文に「膀胱に尿は貯留していない」とあることから否定できる。
正答につながるポイント!
3の膀胱刺激症状と4の膀胱タンポナーデは聞いたことがないかもしれません。外科的侵襲、結石、腫瘍などが膀胱を刺激することによって頻尿や尿意切迫感、残尿感、排尿時痛などが起こるのが膀胱刺激症状で、膀胱の中に凝血塊などが溜まり尿を出せなくなった状態が膀胱タンポナーデです。
国試対策のポイント!
心タンポナーデについては、おそらく皆さん知っていると思います。二層の膜によってできる心膜腔に体液や血液が大量に貯留することにより心臓が圧迫され十分に拡張できない状態ですね。“タンポナーデ”とは、「液体がせき止められる」という意味です。知っている語から意味を類推する訓練もしましょう。
