必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.22>フィジカルアセスメント
- 対光反射が反映しているのはどれか。
- 眼 圧
- 知的認知機能
- 脳幹部の状態
- 大脳皮質の状態
解答3 脳幹部の状態
1.× 対光反射の異常には脳神経の障害がかかわっているが、眼圧を反映しない。
2.× 意識レベルが低下したときに、頭蓋内圧上昇などを疑って中枢神経の状態をアセスメントするために対光反射を調べるが、対光反射自体が知的認知機能を反映するわけではない。
3.〇 脳幹部の状態を反映する。両側の対光反射が消失している場合には中脳の障害、両眼球が正中に固定され両側の瞳孔が著しく縮小している場合には脳幹出血や中心性脳ヘルニアが考えられる。
4.× 脳幹部の状態は関係するが大脳皮質の状態は反映していない。
①瞳孔についてもう少しくわしく学ぼう
対光反射は眼球に光を当てると反射的に瞳孔が縮小する反応のことです。強い光による網膜の傷害を防いでいます。片側のみに光を当ててても、両側に対称性に起こります。光を当てた側の反応を直接対光反射、反対側の反応を間接対光反射といいます。
網膜で受けた刺激が視神経-中脳(中枢)-動眼神経内の副交感性神経線維に伝わって生じます。瞳孔径は3~4mmが正常で、2mm以下で縮瞳、5mm以上で散瞳として異常であり、左右差が0.5mm以上あれば瞳孔不同と判断します。
なお、瞳孔散大筋は交感神経によって支配されているので、関連する頭頸部の交感神経が障害されるとホルネル症候群となり、縮瞳や眼瞼下垂などが起きます。肺がんや動脈瘤などが原因です。
②脳幹について知ろう
脳幹部は延髄、橋、中脳のことです。脳幹の機能は生命維持に必要な機能の中枢、大脳皮質と脊髄の間の神経線維の通路、脳神経の始まり(脳神経核)です。
大脳半球と脳幹の機能が停止すると脳死となります。脳死判定時に確認すべき脳幹反射には、対光反射のほか、角膜反射、毛様体脊髄反射、眼球頭反射、前庭反射、咽頭反射、咳反射(脳死判定には必須ではないが聴性脳幹反応もある)があり、脳死ではこれらが消失します。
〈引用・参考文献〉
1.井手隆文:系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[7] 脳・神経.医学書院,東京,2019.
2.坂井建雄 著者代表:系統看護学講座 専門基礎分野 人体の構造と機能[1] 解剖生理学 第11版.医学書院,東京,2022.
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
