必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.19>運動能力の発達、体力の特徴ほか
- 学童期における呼吸の型はどれか。
- 鼻翼呼吸
- 腹式呼吸
- 胸式呼吸
- 胸腹式呼吸
解答3 胸式呼吸
新生児と乳児期はおもに横隔膜を使う腹式呼吸、幼児期から胸腹式呼吸、学童期ごろから胸式呼吸となる(3.○)。1の鼻翼呼吸は鼻翼が張って鼻孔が大きくなると同時に、喉頭を下に動かして気道を少しでも広げようとする動きで、呼吸困難の際にみられる。
①発達段階別の呼吸の特徴
乳幼児期までは肺胞数が少なく、1回換気量も少ないため、呼吸数を多くすることで対応しています。新生児~成人までの呼吸の特徴を表1にまとめます。
表1 発達段階別の呼吸の特徴
正常な呼吸数 (めやす) |
呼吸の型 | 特徴 | |
新生児 | 40~50回/分 | 腹式呼吸 | ●腹式呼吸が主であるため、腹部膨満などで横隔膜が圧迫されると呼吸状態が悪化しやすい ●口呼吸はせず、鼻呼吸中心である。鼻汁の貯留など鼻腔の狭窄が起こると呼吸困難になりやすい |
乳児 | 30~40回/分 | ●呼吸中枢が未熟であり、上気道が狭いことから呼吸困難に陥りやすい ●肋骨は水平位であり、胸郭の拡張が小さい(図1) |
|
幼児 | 20~30回/分 | 胸腹式呼吸 | ●胸郭や筋肉の発達に伴い、呼吸の型は胸腹式呼吸となる ●肺胞の新生が起こる |
学童 | 18~20回/分 | 胸式呼吸 | ●肺胞の大きさが成長し、呼吸数が減少し成人に近づいていく |
成人 | 12~15回/分 | 胸式呼吸 | ── |
図1 成人・乳幼児の肋骨(模式図)
①成人の肋骨 | ②乳幼児の肋骨 | |
![]() |
![]() |
|
●角度がついており、呼吸により胸郭が拡張する | ●水平位のため、呼吸による胸郭の拡張が小さい |
②呼吸パターンの異常
問題に登場した鼻翼呼吸以外にも、表2の呼吸の異常を覚えておきましょう。
表2 呼吸の異常パターン
異常パターン | 特徴 |
下顎呼吸 | 吸息時に下顎が持ち上がり、あえぐように口をパクパクさせて呼吸を行う |
陥没呼吸 | 換気量を増大させようとして胸腔内圧を強く陰圧化させるため、胸郭が引き込まれて吸息時に肋間や胸骨下などが陥没する |
シーソー呼吸 | 吸息時に横隔膜が上がる一方で腹部が陥没し、腹部と胸部がシーソーのように動く |
呻吟 | 声門と閉じることによって、気道内圧を高めて呼気に抵抗を加えて、肺胞の虚脱を防ぐ。呼息時にうめき声が生じる |
〈引用文献〉
1.奈良間美保,丸光惠,堀妙子,他:系統看護学講座 小児看護学1 小児看護学概論 小児臨床看護総論第14版.医学書院,東京,2020.
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
