必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.17>自動体外式除細動器(AED)
- 自動体外式除細動器〈AED〉が供給するのはどれか。
- 短 波
- 電 流
- 超音波
- 放射線
解答2 電 流
AED*は自動体外式除細動器なので、除細動器と同じく、心臓に電流を短時間通電させることにより心室細動・心室頻拍を除去する。答えは2の電流である(2.○)。
AEDは対象者の心電図を解析し、心拍が180回/分以上などの心室細動・心室頻拍状態であると判断された場合は自動的に充電を行い、充電が完了すると除細動を行うよう音声で操作者に指示するしくみになっており、操作者によってレスキューボタンが押されると、充電された電流がパッドを通して対象者に送られる。
*【AED】automated external defi brillator
AEDについて知識を深めておきましょう。
①どんな状況で使う?
医療機関以外で使用するときは、なるべく早く119番通報を行い、胸骨圧迫・可能であれば人工呼吸を含む心肺蘇生とAEDを使います。対象者が「意識がない」「呼吸をしていない」状態(脈拍の有無を確認するのは医療従事者等が救助する場合)で使用します。
なお、問題の解説の通り、心室細動・心室頻拍時に通電が行われるもので、心静止の状態では電気ショックははたらきません。
②今まで必修問題で出題された内容は?
第98回午後15では、「AEDの機能はどれか」という問いがなされ、答えは除細動でした。最近では、成人患者の使い捨てパッドを貼る位置について出題されました(図1)。
また、第102回午後20には表1のような問題がありました。
図1 AEDの電極を貼る位置
●以下は第110回午後24で出題された、正しい貼付位置のイラストである
表1 AEDに関する出題例(第102回午後20)
1.電極パッドは水で濡らしてから貼る。
2.電極パッドは心臓をはさむ位置に貼る。
3.通電時は四肢を押さえる。
4.通電直後は患者に触れない。
[解答]2
③そのほかの注意点は?
そのほかの注意点として、以下を知っておきましょう。
●以下は禁忌です。
▼MRI*装置室内での使用
▼高圧酸素患者治療装置内での使用
▼可燃性麻酔ガスや高濃度酸素の存在する場所での使用
▼水分や油分などにより濡れた対象者への使用(胸部の皮膚が濡れている場合にはしっかり拭き取る)
●使い捨てパッドを貼ろうとする皮膚に他の装置の電極や経皮パッチ、テープなどがある場合には、パッドがそれらに触れないように貼るか、それらを取り除きます。除細動の効果が低下したり、熱傷を負う可能性があるためです。また2つのパッドは必ず離して貼ります。
●パッドを貼るときは、しっかり皮膚と密着するように貼ります。毛深い人の場合には、予備のパッドがあれば、パッドを貼って勢いよく剥がして体毛を除去する方法もあります。
●未就学児のためのモードが搭載されている場合には、対象者の年齢に合わせてそのモードにして使用します。未就学児用のパッドがある場合も同様です。未就学児パッドに表示されている貼りかたで使います。小学生以上では成人と同じモードとパッドを使用します。
●対象者の身体に触れて振動を与えると、救助者へと電流が流れる危険がある・心電図の解析に影響するため、解析が始まったら胸骨圧迫は中断し、対象者に触れないようにします。上の問題にありましたが、通電が終わったら対象者に触れても問題ありません。AEDの使用が終わっても、救急車が到着するまでパッドは剥がさないでおきます。
*【MRI】magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像検査
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
