必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.15>倫理原則
- 倫理原則のうちの善行を説明したのはどれか。
- 秘密や約束を守ること
- 人に対して無危害であること
- 患者の自己決定を尊重すること
- 利益と負担を公平に配分すること
- 患者にとっての利益を尊重すること
解答5 患者にとっての利益を尊重すること
出題基準には倫理原則として、「自律尊重」「善行」「無危害」「公正、正義」「誠実、忠誠」が挙げられている(表1)。
1.× 誠実に接し、秘密や約束を守ることは「誠実、忠誠」に該当する。
2.× 人に対して無危害であることは「無危害」に該当する。
3.× 患者の自己決定を尊重することは「自律尊重」に該当する。
4.× 利益と負担を公平に配分することは「公正、正義」に該当する。
5.〇 患者の考える利益を尊重することは「善行」に該当する。
表1 倫理原則
自律尊重 | 患者の自律を尊重すること。患者が自分で決定できるよう、情報の提供、疑問へのていねいな説明などの援助を行い、患者の決定を尊重し従う |
善行 | 患者のために最善をつくすこと。患者の考える最善の利益も考慮する |
無危害 | 危害を加えない、および危害のリスクを背負わせないこと。転倒・転落の予防、注意義務など |
公正、正義 | 類似した状況にある患者は同様の医療を受けられるべきである。臨床現場ではさまざまな状況のなかで判断することが求められる |
誠実、忠誠 | 患者に対して正直であること、患者との間にある義務に対して忠誠であること |
倫理原則に関する過去の必修問題は、表2の2つがあります。次に出題された際に確実に得点できるよう、表3の練習問題に挑戦してみましょう。
ポイントは善行、公正・正義、誠実・忠誠を区別することです。言葉の意味が似ているため、混同しやすいためです。以下のように覚えておきましょう。
●善行 :患者さんの利益のために最善を尽くす「善」
●公正・正義 :医療資源を公平に分配する「公」
●誠実・忠誠 :秘密や約束などを誠実に守る
表2 倫理原則に関する過去問(必修問題)
①第102回午後4
倫理原則の「善行」はどれか。
1.患者に身体的損傷を与えない。
2.患者に利益をもたらす医療を提供する。
3.すべての人々に平等に医療を提供する。
4.患者が自己決定し選択した内容を尊重する。
②第107回午後5 (問題として適切であるが、必修としては妥当でないとして採点除外の扱い)
倫理原則の「正義」はどれか。
1.約束を守る。
2.害を回避する。
3.自己決定を尊重する。
4.公平な資源の配分を行う。
倫理原則の「善行」はどれか。
1.患者に身体的損傷を与えない。
2.患者に利益をもたらす医療を提供する。
3.すべての人々に平等に医療を提供する。
4.患者が自己決定し選択した内容を尊重する。
②第107回午後5 (問題として適切であるが、必修としては妥当でないとして採点除外の扱い)
倫理原則の「正義」はどれか。
1.約束を守る。
2.害を回避する。
3.自己決定を尊重する。
4.公平な資源の配分を行う。
[解答]①2、②4
表3 練習問題
「自律尊重」「善行」「無危害」「公正、正義」「誠実、忠誠」から、( )内に該当する原則を入れてみましょう。
①約束を守る | ( ) |
②害を回避する | ( ) |
③自己決定を尊重する | ( ) |
④公平な資源の配分を行う | ( ) |
⑤患者に身体的損傷を与えない | ( ) |
⑥患者に利益をもたらす医療を提供する | ( ) |
⑦すべての人々に平等に医療を提供する | ( ) |
⑧患者が自己決定し選択した内容を尊重する | ( ) |
[解答]①誠実、忠誠 ②無危害 ③自律尊重
④公正、正義 ⑤無危害 ⑥善行 ⑦公正、正義 ⑧自律尊重
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
