必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.13>バイオフィルム
- バイオフィルムを形成するのはどれか。
- 細 菌
- ウイルス
- 遺伝子
- 寄生虫
解答1 細 菌
バイオフィルムは水分と基質となる物質がポリマーをつくり、そこに細菌が生息することで構成される(1.○)。
バイオフィルムがつくられやすいのは、生活の場では流しなど水場のぬめり、生体では歯垢が代表的である。体内に挿入するカテーテル、創部などでもつくられることがあり、バイオフィルム内部の細菌には薬物や生体の防御システムが到達しにくいため難治性となる。
感染症対策としてはバイオフィルムをつくらせないことが重要である。
感染症対策に関連して、院内感染について知識を深めておきましょう。院内感染とは病院や医療施設内で生じた感染を指していて、原因を病院や医療施設内に求める概念です。
院内感染を理解するためには次のようなことに注意します。
①易感染状態にある患者の存在
以下のような患者では、病原性の弱い病原体でも感染が成立します。
●未熟児
●新生児
●高齢者
●感染に対する抵抗力が低下するような治療を受けている患者
●糖尿病患者 など
②医療従事者や医療器具等が媒介となる可能性
感染症の患者と接触する医療従事者や医療器具・リネン類などが感染を媒介します。
③耐性菌と日和見感染の問題
病院では抗生物質(抗菌薬)が使用されていることが多いために耐性菌が生じやすくなります。また、治療のために抗生物質(抗菌薬)が使用されているため抗生物質に対する感受性が低い(≒抗生物質が効きにくい)日和見感染の原因となる病原体が環境中に生息しています。日和見感染とは、健康な人は感染しないような病原性の弱い菌に感染して発症することをいいます。
④感染防御機構を障害する処置が多い
病院や医療施設内では、以下のような正常な感染防御機構を障害する医療行為が多く行われます。医療器具を媒介とする感染症や常在する細菌による感染が起こりやすくなります。
●手術
●カテーテル挿入
●気管切開
●人工呼吸器の使用
●血液透析 など
とくに、血管内留置カテーテル関連血流感染、カテーテル関連尿路感染、人工呼吸器関連肺炎が問題となっており、これらは代表的なデバイス関連感染症です。
〈引用・参考文献〉
1.南嶋洋一,吉田眞一,永淵正法 他:系統看護学講座 疾病のなりたちと回復の促進④ 微生物学 13 版2刷.医学書院,東京,2019.
2.森美菜子.デバイス関連感染防止対策とサーベイランス.厚生労働省:院内対策について 令和4 年度院内感染対策講習会 講習会1 地域において指導的立場を担うことが期待される病院向け(厚生労働省委託事業)(日本環境感染学会).
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21747.html(2023.4.3 アクセス)
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
