menu

必修予想問題

必修予想問題

予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!

<no.10>慢性肝炎
次のウイルスのうち、最も慢性化しやすいのはどれか。
  1. A型肝炎ウイルス
  2. B型肝炎ウイルス
  3. C型肝炎ウイルス
  4. E型肝炎ウイルス

解答を表示する

解答3 C型肝炎ウイルス

 慢性肝炎は、「肝臓に血液中の細胞であるリンパ球が集まる炎症が起こり、これが原因で肝臓の主たるはたらきをしている肝細胞が長期間にわたって壊れ続ける病気」とされる1。ウイルス性肝炎のなかでは、とくに3C型肝炎ウイルスによる急性肝炎が慢性化しやすいことで知られている。慢性肝炎が進行すると肝硬変になり、肝がんになりやすくなる。
 なお、慢性肝炎の原因は、かつては約70%がC型肝炎ウイルスであり、次いでB型肝炎ウイルスが多いとされてきたが、現在では非アルコール性脂肪肝炎や自己免疫性肝炎が増加してきていると考えられている。


表 おもなウイルス性肝炎の特徴

 A型  B型  C型  D型  E型
ウイルスの種類  RNA  DNA  RNA  RNA  RNA
感染経路  経口    おもに経血液  血液    おもに経血液  経口   
ワクチン  あり  あり  なし  なし  なし
慢性肝炎との関連  なし  あり  あり  あり  なし
感染症法での位置づけ  4類  5類  5類  5類  4類

ここもおさえよう

①生命にかかわる劇症肝炎
 かつて国試でも出題されたことのある「劇症肝炎」は、肝炎を発症し、短期間で大量に肝細胞が破壊され、高度の肝機能の悪化をきたすものをいいます。予後不良で、生命にかかわる疾患です。現在は「急性肝不全」に含まれる形で定義されています。

②無症候性キャリアーにも注意
 B型C型の肝炎ウイルスではキャリアー(ウイルスを体内に保有している人)が存在します。とくにB型の小児期の感染では、免疫機能が未熟なためウイルスが排除されにくく、持続感染となりやすい傾向があります。また、症状がない場合でも、無症候性キャリアーとして感染源となるリスクがあります。

③過去の国試での問われかた
 ウイルス性肝炎に関する問題は過去にも多く出題されています。第100回以降のおもな問題は表の通りです。

第110回午前27 DNAウイルスはどれか問う問題
第106回午前51 急性肝炎の症状と情報から特徴を問う状況設定問題
第103回午後50 B型肝炎と比べたC型肝炎の特徴を問う問題
第101回午後15 経口感染する肝炎を問う問題
第100回午前81 献血された血液のスクリーニング検査の対象として問う問題

〈引用・参考文献〉
1.日本肝臓学会:肝臓病の理解のために 2020年度版.
https://www.jsh.or.jp/lib/files/citizens/booklet/understanding_liver_disease.pdf(2023.1.11アクセス)
2.南川雅子 著者代表:系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学[5]消化器.医学書院,東京,2019.
3.吉田眞一 著者代表:系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進[4]微生物学.医学書院,東京,2018.

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)

他の過去問を見る>

X(旧Twitter)のプチナース公式アカウントで頻出の過去問を見られます!

Xで表示