必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.02>神経系
- 運動神経の神経伝達物質はどれか。
- ドパミン
- セロトニン
- アドレナリン
- アセチルコリン
解答4 アセチルコリン
1.× ドパミンは中枢神経の神経伝達物質である。
2.× セロトニンは中枢神経の神経伝達物質である。
3.× アドレナリンは交感神経・中枢神経の神経伝達物質である。
4.〇 アセチルコリンは運動神経・副交感神経・中枢神経の神経伝達物質である。運動神経と筋肉の間では、運動神経終板のシナプス小胞からアセチルコリンが分泌され、筋組織の細胞膜に付着する。
選択肢の神経伝達物質についてくわしく解説します。
	
①ドパミン=中枢神経の神経伝達物質
	 チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンと変化していきます。疾患とのかかわりでは、パーキンソン病におけるドパミン作動神経の障害が起こるためドパミンを補充することで治療します。また、統合失調症の発症には大脳におけるドパミン過剰説があります。
	
②セロトニン=中枢神経の神経伝達物質
	 トリプトファン→セロトニン→メラトニンと変化していきます。セロトニンは統合失調症やうつ病との関連があります。
	
③アドレナリン=交感神経・中枢神経の神経伝達物質
	 チロシン→ドーパ→ドパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンと変化することは①で触れました。ノルアドレナリンもうつ病の発症に関与しているとされています。
	
④アセチルコリン=運動神経・副交感神経・中枢神経の神経伝達物質
	 コリンとアセチルCoA*からコリンアセチル転移酵素のはたらきによって合成されます。副交感神経系の節前神経と節後神経の間・節後神経と効果器の間の神経伝達物質です。
	 また交感神経と副腎髄質の間・交感神経支配の汗腺も例外的に節前神経と節後神経の間・節後神経と効果器の間の神経伝達物質がアセチルコリンです。
	 もうひとつ、脊髄からの運動神経と骨格筋の間の神経伝達物質でもあります。
	
	
*【CoA】coenzyme A:コエンザイムA
	図 シナプスと神経伝達物質
	 
	〈参考文献〉
	1.池西静江,石束佳子 編:看護学生スタディガイド2023.照林社,東京,2022:593.
	2.吉岡充弘 著者代表:系統看護学講座 専門基礎分野 疾病のなりたちと回復の促進3 薬理学.医学書院,東京,2022.
	3.薗田勝 編:栄養科学イラストレイテッド生化学.羊土社,東京,2017.
	
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)





