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看護家庭Q&A
監修 任 和子 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授

看護計画の悩みを解決!

計画を立てたものの、ダメ出しをされることも多いところ。よくあるダメ出しをもとに一発OKの計画を立てちゃいましょう!

看護家庭Q&A

長期目標と短期目標の違いがわかりません

看護家庭Q&A

長期目標と短期目標を分けて書くときは、①看護診断の表記に対応させて設定する場合、②時期の長短に合わせて設定する場合、があります

 上記①では、長期目標はその看護診断の解決を示すもので、短期目標は関連因子に焦点があたります(表)。
 長期目標は、通常は、問題が解決したことを示すように表現します。一方、短期目標は最低でも関連因子の数だけ挙げ、さらに段階的に細かく具体的に挙げていきます。1つひとつの短期目標の到達を前提に看護介入を行うことにより、結果として長期目標に到達することになります。
 上記②のやりかたで記述する場合、実習期間の終了日を目途に長期目標を立て、そこにいたるまでの短期目標を細かく設定するとよいでしょう。長期目標と短期目標に分けない場合も①や②を参考にすると目標を設定しやすいです。


■表 長期目標と短期目標
看護過程Q&A

看護家庭Q&A

期待される結果(看護目標)が具体的でないと指摘されました

看護家庭Q&A

「誰が、何を、どのように、どこまで、いつまでに」を考えて記載しましょう

 看護計画を立てるためには、まず期待される結果(看護目標)を明確にしなければなりません。なぜなら、期待される結果を示さないままに実施した看護介入は、その効果を評価する基準がないからです。
 つまり、期待される結果が具体的でないと、評価ができないことになってしまいます。測定可能・観察可能である目標を設定し、しかも患者さんの行動の形で表現するとよいでしょう。また、具体的に期限を設定する必要があります。
 そのために、「誰が、何を、どのように、どこまで、いつまでに」を考えて記載するとよいでしょう()。
 「何を」(動詞)は、到達度が測定できるものを使用します。「理解する」「受容する」「感じる」などは、その基準が不明瞭なので、なるべく用いないようにします。
 期限については、実習中であれば、最終の期限の設定を実習の受け持ち期間終了時とし、加えて、例えば3日後、1週間後、10日後などを目安に、「○月○日までに、~ができる」と記載すると具体的になります。


■表 期待される結果設定のコツ
看護過程Q&A

看護家庭Q&A

計画(看護介入)が期待される結果と一致していないと言われました。どういうこと?

看護家庭Q&A

期待される結果は、看護介入を実施した結果、「患者さんがこういう状態であったらいいな」ということを示したものなので、介入と関連するはずです

 期待される結果を設定したら、それを達成するための看護介入を選択します。このとき、できる限り関連因子ごとに目標を設定し、看護介入を選択するといいでしょう。
 関連因子ごとの目標は個別性のある関連因子から導き出されるので、患者さんに合った個別的な看護計画を立案することができます。文献などにある標準看護計画を参考に、関連因子ごとの目標に合わせた看護介入を選択しましょう。

看護家庭Q&A

具体性・個別性のある計画(看護介入)を立てるコツは?

看護家庭Q&A

個別性のある関連因子から導き出す短期目標ごとに 介入を立てること、4W1H を意識して書くこと、です

 指導者から「個別性がない」「もっと詳細に計画を立てなさい」と指摘された経験のある学生さんは多いと思います。
 まず、看護介入は個別性のある関連因子から導き出されるので、関連因子ごとに看護介入を立てていくと、患者さんに合った個別的な看護計画を立案することができます。
 また、看護計画を個別的、具体的に記載するコツは、4W1Hを意識して書くことです。4W1Hとは、Who:誰が、What:何を、When:いつ、Where:どこで、How:どのように、するかを記載することです。
 例えば、「毎食後に病棟の廊下を歩行する」という計画を、「転倒しないように看護者が付き添い、患者さんが毎食後30分~1時間以内に、病棟の廊下を片道(約50m)歩く。復路は歩行器か車椅子を使用する」と書くだけで、すぐに実行できそうな計画になります。