必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.36>胎児期の異常
- 妊娠中にノンストレステスト〈NST〉で観察するのはどれか。
- 羊水量
- 胎児の体重
- 胎児の心拍
- 分娩の進行度
解答3 胎児の心拍
妊娠後期に行うノンストレステスト(NST*)は、子宮収縮のない状態で胎児心拍数モニタリングにより胎児の心拍や胎動を観察する。よって3の胎児の心拍と、胎動、子宮の収縮度をモニターする。1の羊水量、2の胎児の体重、4の分娩の進行度を観察するのではなく、分娩前に胎児の健康状態を評価する。陣痛のない状態下で胎児の睡眠状態での心拍と活動状態での心拍の両方を測るため、30分以上の時間がかかることが多い。
*【NST】non-stress test
ノンストレステスト(NST)とコントラクションストレステスト(CST*)をしっかりと理解しましょう。
どちらも妊娠末期の仰臥位低血圧症候群を防止するため、セミファウラー位(半坐位)か左側臥位で行いま
す。子宮収縮測定用トランスデューサのベルトと、胎児心拍測定用トランスデューサのベルトの2つを装着します。
*【CST】contraction stress test
①ノンストレステスト(NST)
●妊娠32週以降に行います。
●子宮収縮などのストレスのない状態で、胎児心拍数陣痛図(CTG*)を用いて20分間に2回以上、15bpm以上15秒以上2分以内の一過性頻脈が認められれば胎児の状態が良好であると推測できます。これを「reactive pattern」といいます。reactiveとは「反応がよい」というような意味です。認められない場合はnon-reactiveと判定されます。
●胎児が眠っていると変化が認められないこともあり、妊娠末期の胎児の睡眠サイクルは20~30分周期であるため、20~40分観察を行います。判定に迷う場合には妊婦の腹壁に振動音響装置を当てる、妊婦の体位を変えるなどして刺激します。ノンストレステストは必要があれば何度も行っても問題はありません。
②コントラクションストレステスト(CST)
●ノンストレステストでnon-reactiveと判定された場合などでは人工的に子宮収縮を起こさせて胎児心拍数パターンの変化をみるのがコントラクションストレステスト(CST)です。コントラクション(contraction)とは子宮収縮のことです。
●子宮収縮はオキシトシンの点滴静脈内注射や乳頭への刺激で誘発します。検査の実施により胎児の状態を悪化させる可能性があるため、帝王切開のできる状態で行うことも重要です。
●医療施設によっては、ノンストレステストと超音波断層法検査を用いたバイオフィジカルプロファイルスコア(BPS*)で判定することもあります。
*【BPS】biophysical profile score
〈引用・参考文献〉
1.森恵美,高橋眞理,工藤美子 他:系統看護学講座 専門分野Ⅱ 母性看護学[2]母性看護学各論 第14版.医学書院,東京,2021.
2.百枝幹雄,山中美智子,森明子 編:看護学テキスト病態・治療論[13]産科婦人科疾患.南江堂,東京,2019.
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
