必修予想問題
予想問題で必修問題対策。あわせて知っておきたい知識も解説!
- <no.06>小児の解剖生理
- 出生まもない新生児の胃の容量で正しいのはどれか。
- 10mL
- 40mL
- 80mL
- 160mL
解答2 40mL
新生児の胃の容量は出生時30~60mL、生後1か月で90~150mL、3か月で140~170mL程度とされ、母乳・人工乳を飲むことで容量が増大していく。該当するのは2の40mLとなる。なお、新生児の必要水分量は60~160mL/kg/日である。
①新生児は胃の構造上吐き戻しが起こりやすい
新生児期の胃は成人に比べて縦長で、噴門の括約筋が弱いため逆流しやすく、吐き戻し(溢乳)が起こりやすいです。とくに児を横抱きにして授乳したり、授乳後すぐに寝かせたりするときによく起こります。
また、胃を固定する靭帯が未熟でゆるいため、胃がねじれやすいことにも注意が必要で、ねじれが生じると胃内に空気が溜まって腹痛の原因となることがあります。ねじれは腹臥位にすると戻りやすいとされています。
②新生児は腸管拡張や腹部膨満が起こりやすい
胃の中に入った母乳や人工乳は1~2時間で小腸へと移動します。新生児期の腸の長さは身長の約7倍あり、次のような特徴があります。
●腸蠕動が不規則であるため、腸管拡張や腹部膨満が起こりやすい
●出生直後の児の腸内に細菌は存在せず、親との接触や母乳・ミルクを飲むことによって腸内細菌叢がつくられていく
③母乳・人工乳を分解する酵素は授乳で活性化する
乳糖を分解するラクターゼの活性は授乳によって急速に高まります。また、授乳開始とともにペプシンが活性化し、母乳・人工乳に含まれるラクトアルブミンなどのタンパク質も分解されます。
そのほか、新生児期のおもな消化酵素のはたらきは下記の通りです。
●十二指腸ではトリプシンやキモトリプシンがはたらき、タンパク質はアミノ酸に分解される
●多糖類を分解するアミラーゼの活性は生後2~3か月ころから増加しはじめ、2~3歳で成人と同じレベルとなる
●脂肪を分解するリパーゼの活性は新生児期では低いが(摂取した脂肪の10~15%は便から排泄)、次第に増加していき2~3歳で成人と同じレベルとなる
〈参考文献〉
1.奈良間美保 著者代表:系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児看護学[1] 小児看護学概論 小児臨床看護総論.医学書院,東京,2020.
2.小林京子・高橋孝雄 編:新体系看護学全書 小児看護学① 小児看護学概論/小児保健.メヂカルフレンド,東京,2019.
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
