内容的に“おもしろ問題”ととらえるのは不謹慎ですが、国試の問題特有の極端さがよく出ている問題です。「自宅で看取る決意をした」ということは、家族の協力体制ができているのだと思いますが、1のように24時間付き添うことは交代制であってもかなり困難で、家族の負担となります。2の尿量の把握は、死が近づくと尿量が減少してくることを連想させるねらいかもしれませんが、自宅でおむつの重量まで計測する必要はありません。
積極的な治療はせず自宅で看取るのであれば、苦しそうになっても3の救急車を呼ぶことはしません。答えは4の「食べたければ食べさせてあげましょう」です。誤嚥性肺炎という情報から選べなかった受験生もいると思いますが、Aさんの希望を尊重します。
どの選択肢も「振り切れた」印象のある問題でした。
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono