まず、問題文中に「気分安定(感情調整)薬」という語がたびたび出てきて、「ん?」と思います。気分安定薬はおもに双極性障害(躁うつ病)の治療薬として使われています。聞き慣れない薬の分類かもしれない、という配慮があったのかもしれません。
1の「薬をやめてみますか」は信頼関係がすでにある医師と患者間ならともかく、薬を処方する役割をもたない看護師が返す言葉として適切な場面は少なく、軽過ぎます。「じゃあやめます、と言われたらどうすんの?」とも思います。2の「主治医に言ってください」は「それを伝えるのがあなたの仕事でしょ!」と思わず突っ込んでしまいますし、3の「気にしない方がよいですよ」もあまりに無責任過ぎます。
ということで、状況を確認する「どの薬を飲むとそうなりますか」のみがまともな対応で、これが答えです。1つを除いて禁句系のセリフなので解くのは難しくありませんが、記憶に残る問題です。
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono