「問題解決型のコーピング行動」を選ぶ前に、1以外は「本当に禁煙したい」のかを、どこか静かな場所で問いつめたくなる問題です。
まず2ですが、喫煙できないイライラは起きているあいだ常に感じると思いますが(とはいえ、禁煙開始当初はタバコを吸う夢を見やすいそうですよ)、そのたびに飲酒で解消するのでしょうか。また、飲食店に行けば飲酒しながら喫煙する人が多いなど飲酒と喫煙は心理的に距離が近く、健康への影響を考えると適切なコーピングとは言えません。3と4にいたっては吸う量が減っただけという点で意味は同じです。
「最も適切な行動はどれか」でも成立しそうな問題で、「え、本当にこんな感じで解いてしまっていいの?」と用心してしまいます。
コーピングとは、ストレッサー(ストレスのもとになる刺激)に対する対処のことです。問題解決型以外のコーピングは研究者によって異なりますが、「情動焦点型(情動中心型)」「気晴らし型」などがあります。国試では問題解決型と情動焦点型が出題されやすい傾向があるようです。
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono