ヒューマンエラーは「意図しない結果を生じる人間の行為」「人間が起こす思い違いや失敗により、意図していない不都合な結果をもたらす行動」などと定義することができる。
3 以外はヒューマンエラーを防止するために効果的ではない。
第106回の必修問題で「ヒューマンエラーによる医療事故」についての問題が採点除外等の扱いとなったが、あらためて学習しておきたい項目である。なお、故意に「やるべきことをやらない」、または「やってはならないことをする」は、適切ではない行為としてヒューマンエラーと区別する考えかたと含む考えかたがある。
①「医療現場における安全」に関する必修問題の重要ポイントはここ!
インシデントレポートに関する問題が目立ちます。インシデントレポートの目的について2回(第100回、第103回)出題され、いずれも答えは「再発の防止」でした。その他には、インシデントレポートについて正しいのはどれかという問い(第99回)があり、答えは「当事者以外が報告してよい」でした。
次に多いのは転倒・転落防止に関する問題です。転倒・転落のリスクを高める薬剤を問う問題(第103回、第111回)で、いずれも答えは「降圧薬」でした。転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれかという問い(第108回)もあり、答えは「端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする」でした。
②一般問題ではどのような問題となるのかを知っておこう!
同じく、インシデントレポートについての問題を一般問題で見てみましょう。
[解答]①1、②2・4
「責任追及のためには使用されない(○)」「インシデントの発生から1か月後に提出する(×)」「実施前に発見されたインシデントの報告は不要(×)」といった選択肢はどちらの問題にも出てきますね。しかし、第109回の問題では、必修問題対策で学んだように「インシデントレポートの目的=再発防止」と考えて安易に3を選ぶと正答にたどりつけません。インシデントレポートの記述内容はインシデントの状況とその状況への対応が中心です。「目的」と「記述内容」を混同しないことがポイントです。一般問題では選択肢をよく読んで解くことが求められます。
執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)