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プチナース国試部

おもしろ過去問

よく読むと「あれれ?」な過去問に、おもしろく、まじめにツッコミを入れます!

今月のツッコミ!

異物で気道閉塞の救急患者に看護師が急いですることは……?

<no.04>第91回午前問題105
81歳の女性が咽頭部に餅を詰まらせ救急車で運ばれて来た。苦悶状態で全身にチアノーゼが認められる。
直ちに行う処置はどれか。
  1. 気管に太い針を刺す。
  2. 心臓マッサージを行う。
  3. 静脈路を確保する。
  4. 酸素吸入を行う。
おもしろ国試過去問no04

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解答1 気管に太い針を刺す。

 今回はかなり以前の問題で、正答例が公表されていない時代の問題です。女性の意識はあるようですが、これは本気でどうしたらいいのでしょうか。というのは、救命するためには、気管に18G針などの太い針を数本刺す必要がありますが(おそらく正解は1)、どこに刺せばよいのかということまでは学校で教えていないからです。
 救急車で搬送されたので現場は病院なのだと思いますが、搬送直後に看護師がいきなり自己の判断で太い針を刺すのでしょうか? 現実的ではないです。医師がいるのであれば看護師として行うべきは、気管挿管・異物除去・除細動・心臓マッサージの準備です。やや冒険的すぎた問題の一例ですね。
 ちなみに針を刺すならどこに刺すか。答えは輪状甲状軟骨間膜ですが、深く刺しすぎると気管を貫通してしまいますし、正中を大きく外れると血管を穿刺するおそれがあるので、細心の注意が必要です()。

図 輪状甲状軟骨間膜の位置

おもしろ国試過去問no04

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Masafumi Ono, Kazuhiro Imasaki

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国試教室

過去問をもとに、正答につながるポイント、国試対策のポイントをていねいに解説!

<no.05> 第105回午後問題51
Aさん(75歳、女性)は、終末期のがんの夫を自宅で介護している。Aさんと夫は自宅での看取りを希望している。
Aさんへのケアで最も適切なのはどれか。
  1. 臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。
  2. 自宅で看取る意思が揺らぐことがないように支援する。
  3. 配偶者を亡くした家族の会への参加を生前から勧める。
  4. 夫が元気だったころの思い出を話題にしないように勧める。

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解答1 臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。

1.臨死期に起こる身体徴候について説明しておく。
→◯ 「臨死期に起こる身体徴候について説明しておく」ことは、Aさんにとって必要な情報(表1)で、それによってどのように対応すればよいかを判断できるようになります。“死が近づいたときの変化”もおさえておきましょう(表2)

2.自宅で看取る意思が揺らぐことがないように支援する。
→× 支援の目的に、「看取る人が揺らぐことがないように」というのは含まれません。不安や困ったことが表出できて、情報を得たうえで自宅での看取りを続けるのかを本人と家族が決断できるように支援します。

3.配偶者を亡くした家族の会への参加を生前から勧める。
→× 亡くなる前から勧めるというのは倫理的に問題がありますし、支援として適切とは言いがたいと考えます。

4.夫が元気だったころの思い出を話題にしないように勧める。
→× ややわかりにくい文章なので読み間違いのないように注意します。思い出を語ることを禁止しているので、これは誤りです。夫本人がいやでなければ、元気だったころの思い出を語り合うのは夫婦にとって人生の統合という要素を含みます


正答につながるポイント!

 このような問題は、教科書や参考書のあるページに正解への手がかりが載っているような問題ではありません。しいていうなら、過去問によく似た選択肢がいくつかある程度です。看取られる人、看取る人の心情やQOLについて考えることができれば難しい問題ではありません。

国試対策のポイント!

 終末期に関しては、「リビングウィル」「アドバンスディレクティブ」「グリーフケア」「エンドオブライフケア」などの用語の意味と関係する援助方法についてもまとめておきましょう。

表1 臨終前の変化(臨終1、2か月~数週間前)

国試教室画像


表2 臨終前にみられる身体的変化

国試教室画像

池西静江,石束佳子 編:看護学生スタディガイド2019.照林社,東京,2018:296.をもとに作成


【家族を看取る人のケアの例】

国試教室画像

執筆:大塚真弓(看護師国家試験対策アドバイザー)
Illustration:Keiko Katsuyama

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